カテゴリー「08.レビューらしき」の記事

箱庭を騙る檻の中の百合

三浦しをんの小説『秘密の花園』を読んだむかしのわたしは言いました、
これは百合ではなかった」と。

当時のわたしがなにを「百合」ととらえていたか、じぶんで明確に覚えているわけではないのだけれど、30歳になったわたしは、胸を張って言いましょう。

いや、これ、百合だから。

さて。
迷える百合の定義がさまざまにあろうとも、「これは百合か否か」でアンケートをとったら、満場一致で百合になりそうな本が出版されました。

奇しくも、三浦しをん再来。

こちらです、『ののはな通信』


※未読の方向けに書きますが、念のためネタばれ注意!

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本気で奪いに行く

敵の命を。


平日のレイトショーで、彼女と映画「ピーターラビット」を観てきました。

ピーターラビットのえほんは、全話収録のコンプリート版を持っていて、それはもうだいすきなのだけれど、映画は観る予定がなかったわたくし。

3Dアニメがさ、あんまり得意ではないからさ。
「ベイマックス」も「アナと雪の女王」も観たのに、なにをいまさらとじぶんでもおもうけれど、積極的に鑑賞する気力が湧かないのです。

ですが。

公開後、たちまちツイッターで話題になった、映画のレビュー

「マッドマックス怒りの湖水地方」

「死人の出るホームアローン」

「千葉繁」

に釣られ、ほいほいと観に行ったちんぴら好きが、ここに一匹。


※未見の方向けに書きますが、この時点でネタばれかしら?

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百合の国境を越えろ

「恋愛感情が、セックスがなければ百合ではない」というひとには、ものたりないかもしれない。
「親族ならば、女性同士でも百合ではない」というひとには、論外なのだろう。

けれど、わたしはこれを百合と呼びます。

女性同士の距離感、間合い、ふたりが生む空気。
そこにドラマを感じてときめくタイプのひとは、読まにゃ損、損!

こちら、『違国日記』


※未読の方向けに書きますが、念のためネタばれ注意!

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最期の手紙を窃み読み

先週の金曜ロードショー「かぐや姫の物語」を観ながら、そうだ、「絵が動く」おもしろさと言えば、書きたいなと思い出したネタがあったのに。
おやおや、今日は27日。早いなあ。

でも、書いてしまおう。
今月はじめに彼女と観に行った映画「ゴッホ 最期の手紙」

※未見の方向けに書きますが、念のためネタばれ注意!

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ドラマ「弟の夫」は名作

連休が明けて、1週間。
20数年ぶりにディズニーランドへ行ったり、東京プライドフェスティバルを覗いたり、いそがしく遊んでいたので、リアルタイムでは見なかったのだけれど。
ゴールデンウィーク中、たのしみに録画しておいたドラマを、ようやっと再生しました。

これ、これ。
NHKプレミアムドラマ「弟の夫」


亡くなった双子の弟は、カナダで結婚していた。カナダ人の男性と。
そのカナダ人が、じぶんを訪ねて、日本に来る。



という男性の動揺に始まるホームドラマ。
くだんのカナダ人、「弟の夫」を元大関の把瑠都が演じたことでも話題になりました。
3月に放送されたけれど、BSだったから、我が家では見らレズ。
それが、ゴールデンウィークに地上波に下りてきたのでした。ばんざい。

原作はまんが。

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キャラクタの立ち姿と表情。
表紙が語るところの多さを感じますな。

「弟の夫」であるマイクは、自然体で日本へ。
「兄」は、弟にゲイだとカミングアウトされてから疎遠だったこともあって、戸惑いつつ。
小学生の「娘」は、はじめて見る「モノホンのガイジン」が大好きになる。


ドラマからは、作者の思いがよく伝わってきました。
「小学生が読める」作品として、「ネガティブでもポジティブでもなく、身近なセクシャルマイノリティ」を描きたかったのですって。放送時間も、真昼間。

登場人物の行動は、とにもかくにも「ふつう」でした。
はじめこそ兄は「俺も、性の対象になったりするのだろうか」とそわそわしたりするけれど。
双子の弟とは同じ顔をしているので、なおさら。

それでもとにかく。
大人はごはんを作り、食べ、洗濯をし、掃除をする。
子どもを学校に送り出す。忘れ物をしたら届ける。

子どもは素朴に「男同士で結婚できるの? 変なの!」と発言し。
友だちには「叔父さんだよ」と誇らしげに話す。


過剰な演出はなく、あるのは穏やかな視線とやさしい問題提起。
はっとするせりふ、ぐっとくるせりふ、多々ありました。

「マイクを友だちに見せる!」とうきうきする娘をたしなめる、
「マイクは物じゃないんだから、見せるじゃなくて紹介するって言うんだぞ」とかね。


DVDも出るようです。買おうかな。


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映画「猫が教えてくれたこと」感想

こんばんは、圭です。

あきらさんは友だちと泊まりがけでお出かけ。
ゴールデンウィーク直前の平日をつかうなんて、絶妙ね。
ブログのネタになるような日常小咄を提供してくれるひとがいないので、ちょうどいい、しばらく前に観た映画の感想を書いておこうとおもいまーす。


「猫が教えてくれたこと」


※百合ではありません。

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女同士のあれこれ詰め合わせ

百合が読みたい。
「女同士」の関係を書いたものが読みたい。

という欲が、定期的に湧きあがります。

で、そういうときに便利なのが「文芸派のレズビアンにおすすめの小説」なんていうタグだったりするわけですが、偶然に、23篇もの「女同士」を詰め込んだ小説集を発見しました。

彼女とふたりで本屋をうろうろしていたら、お、表紙に女の子がふたり。
わたしが手に取るより早く、彼女がその本を差し出してきまして。



「これ、圭さん好きそう」



帯に書かれたことばは。

友達? 仲間? 憧れ? …恋?
この関係に名前はつけられない、でも、あなたじゃないとだめ。
そんな女同士の物語×23!


キンコンカンコン キンコンカンコン 合格です。

受け取った手のひらの上でひとりでにひらいたページには、

『だいじ?』

という疑問文が書かれていて、おいおい、ちょっと待て。
これは、栃木弁ではないか。もう読むしかない。

買って帰りました。読み終えました。

紹介記事を書きましょう、こちら。
王谷晶 『完璧じゃない、あたしたち』


※ネタばれはしませんが、先入観なく読みたいひとは閲覧注意!

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今日も百合が尊い

こんばんは、圭です。

わたくし、テレビはドラマよりアニメを好んで消費します。

ドラマのほうは、
ひろみちこが百合だと騒いで「ドクターX」を見たり、
すずまきが百合だと騒いで「カルテット」を見たり、
結末はともかく女性同士のカップルがすこし取り上げられる「偽装の夫婦」をちらちら見たり、まあそういうことが時たまありますけれども、基本的にはほとんどスルー。

今期は、瀬戸康史の女装めあてで「海月姫」を見るほかは、やはりスルー。

一方、我が彼女あきらさんは、医療ドラマがお好きなので、法医解剖医が主人公の「アンナチュラル」を選択したようです。

主演の石原さとみにさしたる興味がなくて見ておらなんだが、彼女の肩越しにふと画面を見やれば、あれあれ、市川実日子!
出演作を毎度追っているわけではないけれど、わたし、実日子さんの演技好きなのよ。出てたのね?



あ「レギュラーだよ」



え、待って。
石原さとみと市川実日子、「シン・ゴジラ」のパタ子×ヒロミではないか。
あれはいい百合、好きな百合。
オーマイガッズィーラ、早く言って。

以来、ふたりで見ておるのだが。


Iiii


いい…

期待どおり、猛烈に、百合。

役どころは解剖医と臨床検査技師、ドラマ公式サイトの人物相関図を見てください、もうすでに「良きパートナー」と書いてある。

良き。パートナー。ふふふ。


そして記念すべき第6話、放送タイトルは「友達じゃない」である。きたきたきた。
友だちじゃないって、あれじゃろ、石原さとみと市川実日子は、だいじょうぶ、言わなくていい、わかってるから。

さとみはじぶんのことをあんまり話さない、
なに考えてるかわからないと言う実日子。


「まあいいけど。べつにうちら、友だちじゃないし」

「ただの同僚だし」


ほんのり拗ねたような、でも、気心が知れているこの感じ。
さとみが職場の男性のプライベートに立ち入るのを「あんな男がタイプだとおもわなかった」とちくちく突ついたり、
さとみが意識不明の男性に人工呼吸をしようとするのを遮ったり、(いや、これ、医療行為だからね!)、
実日子、かわいすぎる。

それでも「永年のお友だちのようで、仲がいいですね」と傍から言われれば、

「友だちじゃありません、ただの同僚です」

なんだよねえ。最高。

「ただの同僚です」と言ったあとで、見つめ合い、吹き出し、ぶったたき合う。

繰り返す、最高。


石原さとみ演じる「ミコト」、市川実日子演じる「東海林夕子」、CPは「ミコ夕」派。
ふたりがそのふたりだけの距離感を演出している限り、わたしはそれを百合と呼ぼう。
絆と軛はおなじものだと、おもっているよ。


6話視聴直後の我々カップル
Aaka


今日もミコ夕が尊い。


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R18バイオレンス百合

しばらく前に、我が彼女が「百合っぽくて気になっている」と教えてくれたまんが。
紹介PVを見て、わたしも前のめり、買ってしまいました『ムルシエラゴ』。

百合でした。
レズでした。ガチレズでした。

というわけで、レビュー記事を書きまあす。
 

1巻のページを開けばタイトルロゴ、
もう2ページめくれば、はいきたー、女の子同士がセックスしてるー

「あンのクソレズどうしてくれようかしら」というせりふや
銃弾、暗器、損傷した人体の一部が飛び交うので、 
穢れなきものを百合と呼ぶひとには、百合と認めてはもらえまいが、
女性同士の性愛を百合と呼ぶひとには、うん、ばっちり。

ということを踏まえて、気になった方は続きもどうぞ。
嫌悪感をもった方はごめんなさい、わたくし、こういうのも好きなんざます。
 
 

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天下無敵の桃と百合

「女に膝枕して食べさせてもらうには最適」

「セックスの後のデザートとしても最上」

「姿かたちが色っぽい」

「丁寧に扱わなければたちまち痣になってしまう繊細さも、すぐに食べ頃を過ぎて崩れはじめるところも、女に似ている」


桃の話です。くだもののね。
上記すべて、中山可穂『ジゴロ』に拠りました。

桃の花ことばも、「あなたのとりこ」なんつって煽情的。
だけれども、桃には、他の花ことばもあるのだそうです。

いわく、「天下無敵」


で、まさしく天下無敵・天衣無縫な百合まんがをご紹介。

葉鳥ビスコ 『プティトゥ・ペッシュ!』

 
※未読の方向けに書きますが、念のためネタばれ注意!

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