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「少女」のいやらしさ

「イヤミス」の語を、ご存じですか。

いやらしいミステリー、
つまり、不快感を喚起するミステリー。

後味のわるい作品を指すんだそうです。


そして「イヤミスの女王」なる
称号をもつのが、湊かなえ氏。

彼女の小説は好みの部類なので
『告白』、『贖罪』、『花の鎖』、『Nのために』、
『夜行観覧車』、『白ゆき姫殺人事件』、『サファイア』
と、つぎつぎに読んできたのですが

読もう読もうとおもいながらも、期待が高まりすぎ、
畏れ多くて読まずにいるのが、これ。『少女』

わたしが期待しすぎている理由は
我が彼女あきらさんが言い当てていますので、引用します。



あ「ぜったい百合だよね」



そう、それ。



あ「というわけで、借りよう」



百合感にときめきすぎて
手が出せなかったわたしの葛藤を、突き破るあきらさん。
映画化された「少女」のビデオを、借りてくれました。


Girls


※ネタばれなしのつもり。感想記です。











自分自身に向ける「死にたい」という想い、
他者に向ける「死ねばいいのに」という想い。
死というものが何なのか分からないからこそ、
少女たちは死に興味をもつ。


とは、公式サイトのイントロダクション。


「死体を見たことがある」
と、同級生から聞かされて

「じぶんも人の死ぬ瞬間が見てみたい」
と、衝動のまま走る

ふたりの女子高生が軸になっています。

演じるのは、本田翼と山本美月。



おもったとおり、百合だったね!

高校生を演じる女優がばっちり成人済なので、
その、すこし薹が立った感じが、蠱惑的でたいへんよろしい。
 
本田翼の声の低さ、目つきの険しさ、妖しさに
レズののどは鳴りっぱなしでございました。

いいねえ、山本美月を見る、その目!


山本美月の引きずる足は、
はらだの「ひきずる音」を彷彿とし、
これだけで、ごはん何膳いけるだろう。


カトリック女子高が舞台だから、
制服の女の子たちが
闇を抱えて行き交う校舎には
十字架がそびえているわけで。

百合を盛り上げる、ディストピア感がありますわー。


とは言え。

色調が青みがかって暗いわりに光が白くさして、
おもった以上にあかるい映画でした。

あんまり「いやらしい」印象は受けなかったな。
女王の作品のなかでは、軽めなのではなかろうか。

そう言えば、
「死を見たい」と独居老人を見張りはじめる『夏の庭』も、
「死体を探しに行く」冒険に出る『スタンド・バイ・ミー』も、
しずかにさわやかな青春ものだ。


余談ですが、列挙した湊かなえ作品のうち
短篇集『サファイア』にも百合が一篇入っています。

「そのためだけに」買うと
ものたりないかもしれない、ほのかな百合。うす味。

『少女』のほうは、こってりがつんと、百合。恋味。


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