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我が夏の家族写真

めずらしく晴れた日に
窓を開けて、カーテンが揺れるその向こう、夏の庭を眺めます。

背中をまるめ、膝をかかえて座ったとなりには
緑のにおいを感じるのか、外へ向けて首をのばす愛兎。

気もちいいねえ。
さわやかだねえ。

うさぎのべえやんに話しかけていると、
我が彼女あきらさんが、うしろからぱちりと写真を撮りました。



「ふたりそろって外を見ているのがかわいくて撮ったんだけど、圭さんがとなりに来て嬉しかったのかな、べえやんが動いちゃったね」



あきらさんがプリントアウトしてくれた写真には
外を見るのをやめ、わたしのほうへ伸びあがるうさぎが写っています。

あきらさんは

「いい家族写真だね」

と言いました。



いやいや、待ってくれたまえ。
我々はべえやんを含めて3人家族。
あなたがいないのに、どうして家族写真なものですか。



「あたし、いるよ。撮ったのは、あたしだから」



そりゃまあ、そうだけど。
でも、写っていないでしょう。



「ふたりを、こういうふうに撮れるのは、あたしだけだから」



だからね、この写真は、ちゃんと3人の写真なの。



恋文という磁場は紋切り型を否応なく呼び込み、
愛の発信者の声は均質で平板に響く。


堀江敏幸は、そんな文句を綴っています。

それならば、受信者のことばは、どうなんだろうね。


好き好き大好き超愛してると繰り返す、
ありふれたのろけブログという展翅版に
彼女のことばを突き刺していく贅沢。


Fam


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