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トルコ見聞録33 国鉄とアンネ

こんばんは、圭です。

お盆の週に突入です。
わたしは仕事ですが、相手様が盆休みに入っていたりして、
電話がほとんど鳴らず、職場は平和。

早く帰宅して、ブログだって書けちまうぜ。
なんて言っていたのに、なぜもうこんな時間なのか。


はじめから読む方はこちら↓
トルコ見聞録1 まだ着いてない


※だらだら旅の記録です。

 











トルコ旅行4日め。11時40分。

イスタンブルを離れ、日帰りでエフェスを目指す我々。
飛行機の出立が遅れたものの、まあなんとかエフェス最寄りの空港「イズミル」に到着しました。

しかし、うわさには聞いていたけれど、国内線で機内食が出るとはね。
しかも、定刻に出発しなかったからって、離陸前に配られるとはね。

おもしろい体験をしたもんだ。


さて、ここからは?


空港直結の駅から、トルコ国鉄に乗ります。



駅員「エフェスに行きたいのね。セルチュクまでだわね。はい、大人2枚。○○リラよ。ホームはこっち側。で、次の電車は○○時」



にこりともせずに、必要十分なことを言い切った駅員さん。
なんと無駄のないおばちゃんか。贅肉もなかった。ということにしておこう。


ホームでは。
いかにも観光客、大きなスーツケースを持った、見るからにさまざまな国籍のひとびとが
思い思いの恰好で列車を待っていました。

よしよし、乗る列車は間違えないですみそうだ。
彼らがぞろぞろ乗る列車に、澄ましていっしょに乗れば良いのだ。たぶん。


で。

この列車の中での出来事が、いろんな意味で思い出深く、
個人旅行の醍醐味を教えてくれた、得がたい体験となったのでした。


列車の窓から外を見る
Countryroad


車内は満席、デッキに立ちんぼう。

なにもない
なにもない道を進む。

デッキに冷房はなく、蒸し暑い。
車輪が線路をかむ音と、観光客の小さな話し声がぶんぶん響く。
何語だろうね。わからないね。

 

あ「どのくらい乗ってるんだっけ」

圭「1時間くらいだったかな」

あ「……」

 

30分も経ったでしょうか。
ついに空気の澱みに耐えきれなくなったあきらさん、
冷たい風に誘われるようにふらふらと、客車内に入ってゆきました。

ま、待って、わたしも行くよう。


なかはひんやり、別世界。
通路に立って、涼を愉しんでいると。

すぐそばの席に座っていたおばちゃまが、
荷物をどけ、膝おくりして、となりを空けてくれました。


え、そんな、申し訳ないですよ。

いいから、いいから。

表情だけで、会話。


やさしい瞳を皺に沈ませ、
日焼けで赤茶けたつやつやほっぺをスカーフで包んだ、
トルコのおばちゃま。

我々は、勝手に彼女を「アンネ(おかあさん)」と呼ぶことに決めました。


さて、我々をとなりに座らせたアンネは、なにごとかを尋ねてきます。



アンネ「どこから来たの」

圭「日本から」

ア「まあ日本!」



しかし、トルコ語はこれが限界。
アンネには、英語は通じません。
ああ、トルコ語、もっと勉強してくるんだった。

おそるおそる差し出した指さし会話帳。
アンネは大喜びでページを繰り、そうそう、これこれ、と、単語を示しました。


「学生」

 
アンネ「学生さんなの」

圭「いいえ」

ア「お勉強で来たの」

圭「いいえ、旅行です」

ア「わたしには学生の息子が3人いるの」



さしもの指さし会話帳も、これが限界でした。
穏やかな諦めと、気まずさのない沈黙。

控えめな笑顔を見せて、アンネは次の駅で降りていきました。


アンネとの短い交流は、郷愁のようなせつなさを呼びおこして
トルコ旅行のなかでも別格の、とてもすてきな時間でした。

さびしいような、くるしいような、
それは「うまくコミュニケーションがとれなかった」という悔いではなくて、
イスタンブルで出会う「観光客を相手に仕事をしているひと」ではない、
普段着のトルコ人に接することができた、むしろ喜びに近い感情が含まれていて。

じぶんより、ずっと年上の方を
目上として尊敬する心はあれど
醇朴な大人はなぜかくも愛しいか。かなしいか。

つまるところ、胸いっぱい。


海外旅行は、たのしい。と、ずっしりおもえたのでした。


っていう甘美な物語だけで終わらないのが
個人旅行のおそろしいところ。

列車内での、「個人旅行の醍醐味を教えてくれた、得がたい体験」は
これだけではないのであるよ。


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11.トルコ更新局」カテゴリの記事

コメント

セイウチさんからアンネさんに変わってた…
幅広い 笑
引き続きアップ楽しみにしてまーす!

おとさん

幅はさして広くない偏愛志向ですが
引き続きよろしくお願いします。

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