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トルコ見聞録34 命を救われる

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トルコ見聞録1 まだ着いてない





トルコ旅行4日め。12時45分。

イスタンブルを離れ、エフェスを目指してトルコ国鉄に揺られています。
トルコ人のおばちゃま「アンネ」と和やかな時間を共有したあと、おお、なんだ?

前のほうの車両から、声を張り上げてお兄さんが歩いてきました。



「シミッスー! シミッスー!!」



彼はバケツを提げ、頭になにやら巨大な固まりをのせています。
これは、高橋由佳利さんのエッセイまんがで読んだ気がする。

これは、これは。

トルコの車内販売ですな!


バケツの中身はミネラルウォーターのペットボトル。
頭にのせた固まりは、落ちないようにビニルでぴっちり縛った、ごまパンの山でした。

「シミット」はごまパン、「ス」は水。
売り物の名前をくりかえし、くりかえし、蒸し暑い車内をお兄さんがゆく。

彼が愛想なく差し出したシミットをもちもちと噛みながら
トルコパンはほんとうにおいしいなあ、とおもったのでした。長靴いっぱい食べたいよ。



しかしね。たぶんね。そろそろね。
着くはずなんだよあ、目的の駅、セルチュク。

手元のガイドブックに記された時刻表に目を落とし、
腕時計をちらりとにらみ、窓の外の景色を確かめ、
車内放送に耳を澄ませます。

そして。

 

車内放送「………セルチュク………」



きたきた! きました!
車内放送が「セルチュク」と言った気がするよ。

あきらさん、次だよ、きっと。


次の駅で、やれやれ、暑い長旅だったね、と列車を降りかけて。
がっしと肩をつかまれました。



おじさん「待て、おまえたち、ほんとうに、ここで降りるのか?」



え、え?
え、あの、わたしたち、セルチュクで、降りた…



女の子「違う、ここはセルチュクじゃない。田舎のなんでもない駅よ!」



まじで?
列車の扉が、ぷしゅーと閉まったとき、我々は列車の中におりました。

お、降りなかった、けど。
よかったんだよね、これで。

だって、あらためて見まわしてみれば、
観光客っぽいひとたちは、みんなまだ列車に残ってる。

そわそわしていると、車内放送が再び流れてきました。



「次は、セルチュク…」









(゚Д゚;)



トルコ国鉄。1日6本。
「田舎のなんでもない駅」に、危うく取り残されるところだったのか。 ぞっ


さっきの女の子が、胸をはって言いました。


「あたし、あんたたちの命を救ったわね?」


いやもう、おっしゃるとおりです、女神さま仏さま。


無事にセルチュクに降り立ったときの、疲労感と達成感と言ったらなかったね。


駅舎を見上げて
Station2


空の青と、石の白さがまぶしい
Selcuk



遺跡までは、もうひとがんばり。
これから乗合バスに乗ります!


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