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「耽美」はいらんかね?

こんばんは、圭です。
本を読んでいます。

今回の本はいちおし。
登場人物がですね、笑っちまうくらいセクマイまみれでね。
2丁目のコミュニティ内じゃあるまいし、そーんなに都合よく周囲に同性愛者はいないぜ。…なんて冷めたこと言いたくなるとこですがー。ですがー。
おお、これは人物造型がおもしろいぞ。筆運びがおもしろいぞ。爽快に明るく笑えて軽い読書にいいぞ。ってことで、気に入ったのでご紹介しまっす。

まずタイトルをどうぞ。じゃん。
『耽美なわしら』

※以下、ネタばれをふくみます。閲覧注意!







で、簡単に登場人物を紹介しますよ。ちょっと見てくれよなんだよこの濃さはよ。

●俊彦
 美少年に生まれたかったガチムチ192cmのゲイ学生。ガラスのハートの持ち主で被害妄想しまくりのくせに突っ込みは容赦ない。
●千里
 「見た目はホリが深くて薄幸の美青年」な、男性百合小説家。自分には国語能力と文学的才能がないと言ってびーびー泣く卑屈な26歳Aセク。
●彩子
 下品・がさつ・高飛車な美女ビアン。痴漢を「男のくせにわたしのナイスバディに触りやがった」という理由で半殺しにしたとか。当人は麗しのお姉さまのつもりでいる。
●志木
 「思い遣りゼロの冷血漢」「陰険で嫌味」と評されるバイセクシャルの男性漫画家。彩子の親友らしい。
●美穂
 女には甘えたい、男のことは支配したいバイセクシャル小悪魔女子学生。


この設定にドン引きの方は読まないほうがいいかな。
こんなひといないよーと思いながら、ニヤニヤとセクマイ話を読みたい方には強くおすすめしますね。
激烈なもの、狂おしい恋愛なんかを求めるなら中山可穂ですけどね。


表紙がちょいと曰くありげな漫画チックのイラストだし。
第一話のタイトルが黒百合お姉様vs白薔薇兄貴」なもんだから、ゴシック趣味な耽美系小説を想像するかもしれないんですが。
冒頭の俊彦・美穂の会話には新鮮味がないので、そこだけ立ち読みしても通りすがると思うのですが。

そこに彩子が登場した瞬間、これです。

「くっそぉーっ!」
「くそ、くそ、くそ、くそ、くそーっ!」
「くそーっ! レズビアンをなめるんじゃねえっ!」

彩子は「レズビアンをなめた漫画」に怒っていてね、それはこういうヒロインが出てくるんだと。

「実父には棄てられるわ、義父には犯されるわ、男性教師にはセクハラされるわ、恋人には裏切られるわ…(中略)…ついに男性不信におちいって、男が愛せなくてレズになってしまいました」(p.13)

あはははは。やーねえ。そうでもなきゃ女が女を愛すわけないってか?

「だいたい、どうして、レズになるのに言い訳じみた理由が必要なわけっ? わたしはねぇ、生まれつきレズビアンなのよっ!」(p.14)

同感です。


まあこんな調子でね、いろんな話が続くのよ。
初めはカフェでコーヒー片手に読んでいたんですが、ふくみ笑いのしすぎで腹筋が痛くなって帰宅しました。

さ、こんどあきらに貸そうっと。



『耽美なわしら』 森奈津子 著 早川書房(ハヤカワ文庫) 2009年
…2004年に角川書店から出た作品の文庫化。2もあるようです。

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