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害虫譚

こんばんは、圭です。
今日も、いつものようにパソコンをいじりながらあきらさんと電話です。
あきらさんは、台所で皿洗いをしながら電話していたようです。

と。

※食事中のひとは読んではいけません。











突然、あきらの声が途絶えました。



あ「……圭さん」

はいはい、なんですか。



あ「いま、目の前にごきぶりがいる…!!」

な、なんと。


そこから、あきら家の人々vsイニシャルGの壮絶な戦いが始まりました。
が。
電話越しだからね、わたし完全に観客。というより聴衆。あきらのリアルな描写に鳥肌を立てつつも、聞き耳も立てます。大スペクタクル。



「いま…シンクの上を這ってる」

「たわしの下。もぐった…洗剤かける…?」

「いま2mくらい離れてるんだよ、洗剤噴射しても届かないよ!」

「どこへも去らない…シンクの上を往復してる…」



あきらの実況は続きます。うひょー、きもち悪い!



「でかい。幅が2cmくらいある気がする。黒いよ」

ええっ、そんなことまで言うんですかあきらさん。説明しなくていいですよあきらさん。

そして。



「えっ」 「わっ」 「ちょっ!」 「きゃあっっっ!!」



悲鳴。
なんという臨場感。逃げまどうあきらの姿が見えない分、こっちまでどっきどきです。心臓に悪い。



「うわーん。飛んだらどうしよう」

「あ、逃げた逃げた。洗剤かけたけど逃げちゃったよ!」



ひとりでは戦いきれなくなったあきらさん、ついに弟くんを呼び出しました。
彼にすべてを押しつけて、逃げ出そうとしたのかなんなのか。



「おまえ、ちょっと待て!!」



電話の向こうから焦った弟くんの声が響き、あきらさんの声がなにやら言い返しています。たいへんです。あああ、飛んでいって助けてさしあげたい。

しかもそのあとで。



あ「3匹に増えた~っ! うわあああああん」

まじで?
ちょっとそれは予想外だよ。えと、あの…それで、いまはどういう…? というか弟くんは?



あ「弟は殺虫剤を買いに行った。早く帰ってきてくれないかなあ」



ぴりっ
琴線にぴりっ

なんてこったい、わたし、ピンチのあきらを助けられる距離に住む弟くんに、まさかの嫉妬です。



あ「いま机の上に体育座りしてる。凝視してるの。そこにいるの。泣きたい」



そうやって、そうやって泣きそうになりながら、弟くんの帰りを待ちわびているんだね。わたし東京にいるから、助けてあげられないもんね。
勝手にいじけて、わたくしぼそぼそと言いました。



圭「あきらさん、ちょっと妬いたよ」

あ「弟に?」

圭「うん」

あ「なんで」

圭「なんでも」



しばし考えこんだあきらさん、わたしの心のうごきを察してくれたもようです。さすが日本人。以心伝心の美学。



あ「結婚したら、ごきぶり退治は圭さんがしてね」



頼られた! っしゃあ、腕をみがいておこう。
あ、でも練習材料は何匹も出てこなくて結構です。

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03.同棲にいたる道」カテゴリの記事

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