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最後の恋ぶみ


好きな人がいました。
そのひとは女のひとで、わたしも残念ながら女で。
でも同性だったから、女子校で出会えたのでした。

そのひとはわたしより年上で、つまり「先輩」。
「後輩」のわたしをとてもかわいがってくれました。
そのひとはわたしより年上で、留年もせず先に卒業。
わたしは何も言わないままでした。

髪を赤く染めたと聞きました。
東京に出て行ったと聞きました。
夢やぶれて地元に帰ったと人づてに聞きました。
わたしが東京に進学したあとのことでした。

くるまの運転免許をとろうとしていた先輩に、
免許とったら乗せて と頼んでみました。
命が惜しかったらやめとき。
おまえの命なら守ってやるけど。
そう言っていたキザなあのひとは、
けっきょく免許をとれたのでしょうか。

携帯電話をロクに持ち歩かないそのひとと、
わたしはほとんど連絡をとりませんでした。
手紙を書いたことはありました。
返事が来ることもありました。
たいせつにたいせつに取ってある封書。

そのひとの顔を見ないまま想い続けて4年が経って、
そのひとよりも、たいせつでたいせつなひとに出逢いました。

わたしはもう一度、手紙を書きました。
こいびとができたことを、報告しました。
実はあなたに恋していたと、白状しました。
手紙はこう結びました。
「ずっと好きでいさせてくれて、ありがとう」
賞味期限の切れたラブレターでした。
なぜだか涙が止まりませんでした。
たぶんかなしかったのでしょう。

そのひとのことを細大もらさず知ったこいびとは、
わたしの最後の手紙のなかみを知ったこいびとは、
こう言いました。
「やっと言えたんだね、よかったね」
消費期限のない愛情でした。
なぜだか涙が止まりませんでした。
たぶんうれしかったのでしょう。

好きなひとがいます。
そのひとは女のひとで、わたしも残念ながら女で。
でも同性だからこそ、こいびとになれたのでした。

好きなひとがいます。
そのひとは女のひとで、わたしも女で。
ありがたいことに。

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