「少女」のいやらしさ

「イヤミス」の語を、ご存じですか。

いやらしいミステリー、
つまり、不快感を喚起するミステリー。

後味のわるい作品を指すんだそうです。


そして「イヤミスの女王」なる
称号をもつのが、湊かなえ氏。

彼女の小説は好みの部類なので
『告白』、『贖罪』、『花の鎖』、『Nのために』、
『夜行観覧車』、『白ゆき姫殺人事件』、『サファイア』
と、つぎつぎに読んできたのですが

読もう読もうとおもいながらも、期待が高まりすぎ、
畏れ多くて読まずにいるのが、これ。『少女』

わたしが期待しすぎている理由は
我が彼女あきらさんが言い当てていますので、引用します。



あ「ぜったい百合だよね」



そう、それ。



あ「というわけで、借りよう」



百合感にときめきすぎて
手が出せなかったわたしの葛藤を、突き破るあきらさん。
映画化された「少女」のビデオを、借りてくれました。


Girls


※ネタばれなしのつもり。感想記です。

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甘味は堆積する

こんばんは、圭です。

我が家の愛兎べえやんは、
よく、あきらさんといっしょにこたつに入ります。

横になった彼女の、ちょうどおなかの前あたりに伏せ、うっとりと眠るうさぎ。
その背中を撫でる彼女の、穏やかな手つき。

気もちのいい光景です。

ですが。

それが長時間にわたると、そわそわ。
そろそろ、わたしも、ハグをいただきたく。


で、彼女が「もうおやすみ」と
べえやんをサークルに戻したところを狙いすまし、
同じようにふところに飛びこみます。

さあ、うさぎの背中を撫でていたように、
撫でるがいいよ、わたしを!



あ「なにしに来たの?」



料峭。凜冽。
そんな、手厳しすぎやしませんか。

なにもめずらしいこと、複雑なことを
期待しているわけではないのよ、
さっきまで、べえやんを撫でていたのと、
同じ動作を続けていただくだけで、けっこうですよ。
ほら、ほら!



あ「9年かけて甘やかされてきた結果がこれだよ! しっかり者の圭さんの成れの果て!」



言いながら、くしゃくしゃに撫でるのね。
9年かけて甘やかしてきてくれたのは、あなたですよ。

今週だけでも、ごろうじろ。
 
わたしが体調をくずしたもので、鍋焼きうどん。

Nabeyaki


かぼちゃのグラタンが余ったら、リッチな4枚切のパンを使って。

Toast


数が多くて処理に困ったいただきもののりんごを、キャラメリゼ。

Apple


やはりいただきものの甘納豆を、蒸しパンに。

Puff

あ「圭さん、小麦粉のもくもくした食べもの好きでしょう。好きなだけ食べて、早く元気におなり」


もくもくした食べものは大好きであるが
彼女から受け取る甘みこそ最大の糧。

降り積もって層をなす、明日への活力です。
風邪、早くなおそう。


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女と服の闘い

こんばんは、圭です。

だいぶ前にレビュー記事を書いた『13月のゆうれい』は、
わたしの肌に合った、 共感しながら読めるまんがでした。

絵も線がシンプルで見やすく、好きだったので、
本屋で見つけて、あ、同じ作者!

買ってきました、『あたらしいひふ』


裏表紙によれば、
「女と服」の関係を群像劇で描いた作品だそうな。

帯には
「人が見た目じゃなかったら、私はこんな悩まない」
と書かれています。

悩んでいるわけではないと
言い張っておきますが、
おしゃれとは万年無縁のわたくしは
こういう題材、けっこう好き。


※未読の方向けに書きますが、念のため分けます。

 

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監督、お願いします

こんばんは、圭です。

我が家では、ふたりとも料理をするのですが
味をばっちり決めるのは、常にあきらさんの役目です。

鍋の具がやわらかくなったら、
煮汁ごと持って、台所からこたつへ走ります。

監督、あきら監督、お味見を、どうか。
こんなもんでいかがっすか。



「もっと砂糖入れたほうがいいよ。お弁当のおかずにもするんでしょう?」



監督のGOが出たものが、食卓にならぶのです。



しかし、今日は。



「監督、圭監督、これでよろしいですか?」



めずらしく、あきらさんが呼びかけてきました。
おほん、なんだね。



「マッシュポテトを皿に盛りました。ここまでよそえば、ボウルは洗ってよろしいですか?」



うむ、まだ、もったいないぞよ。

ボウルのふちに残ったポテトを
スプーンでせっせとこそげ、
あ、おいしい、おいしい。

うむ、ゴムべらですくったかのように
きれいになったではないか。
苦しうない。



あ「うちは監督のGOが出たものが、シンクに下りるからな」



得意・不得意を生かした暮らしの分業と言いたいが、
わたしのこれは業務なのか? 自問したら負けだよ。

マッシュポテトに粉末パセリをたっぷり振り、
ハッシュドポークをかけたのが本日の夕飯。

食べながら、あきらさんが言います。
 


あ「ねえ、ボルボのCMで男性同士がおでここっつんしてるのは、見た? 今日のブログのネタになる?」



すまんな、今日は、別の話なんだ。

これは、彼女のGOを待たずに
わたしが食卓に出すのです。

お味はいかがですか、監督。
わたしがあなたとの日々を
たのしく遊んでいること、
伝わりますか。


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ファンタスティック立ち耳

こんばんは、圭です。

11月11日はあなたにとって何の日?

というタグがツイッターで出回っていました。

ポッキー&プリッツの日。ではなく
「立ち耳うさぎの日」と提唱しているひとがいますので、
よーし、便乗して祝福を与えよう。


Bee


火に当たってうっとりする愛兎。

待てよ、耳が立ってない。
というか耳、どこいった。


我が家は、今日からストーブを出しました。

人間はこたつにもぐり、
ストーブの火はうさぎ小屋に向けるのが常なので、
こんがり、毎冬おなじみのファンタスティックローストのできあがり。


そう、近所のTSUTAYAで
「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」を借りて観たのです。

原作本というか、ネタ元本である
『幻の動物とその生息地』は
10年以上前に読んだのですが、
読んだことすら忘れていたので

パフスケインね、あれだ、ピンクの舌が長くてふわふわ、
雑食で、ごみも食うけどペットとして人気のやつね?

ん、わたし、なんでこんなに魔法生物に詳しいんだ?
もしかして魔法学校に入れちゃう? なお、年齢

と、楽しく鑑賞。

あのスーツケース内で、バイト、募集してくれないですかね。
生命保険は入っておくからさあ。

ポケモンしかり、
ナウシカの王蟲、
『獣の奏者』の王獣と闘蛇、
最近なら『亜獣譚』に至るまで、
異形の生物に対する感興といいますか、
憧憬の強いひとは、履修して損なし。

主演のエディ・レッドメインは
世界ではじめて性別適合手術を受けた方がモデルの映画、
「リリーのすべて」の主演でもありました。

はかなげで、三次元ではなく二次元に存在していそうな雰囲気。
想像力が生んだ生き物たちによくなじみ、
うつくしく共演しています。


さて、忘れてはならないのが、我が家の魔法使いの存在です。

産直市で買った、まるまる1個300円のかぼちゃを、
馬車ではなく、ベーコンと玉ねぎたっぷりのグラタンに、ちんからほい。


Pump


腹がくちいので、
これからふたりで夜の散歩に行ってきます。


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さくら咲いたらハンバーグ

こんばんは、圭です。

昨日の夜にブログ記事を書いていたら
書きあがったころには日付を越えていて、
カレンダ上は、本日、木曜日に記事を更新していました。

気もちの上では「水曜日に記事を上げた」
つもりでいたものですから、今朝起きて


あれ? わたし昨日ブログを上げたよね?
てことは昨日は、木曜日だったの?
てことは今日は、金曜日なの?

やったー! 1日儲け!
今日がんばれば週末!


糠喜びの見本である。


木曜日って、週のなかでいちばんつらい。
疲れがたまってきていて、
這うように、躙るように、1日を乗り切るのです。

「家に帰ればあきらさんがいる」という贅沢に加えて、
もうひとさじ、なにか、こう、働く意欲を喚起するものをだな。



あ「夕飯は、爆弾ハンバーグを食べに行こう」



愛のバクダンきましたわー!
もっとたくさんばらまいてくれ!

というわけで、夕飯はもりもり外食してきました。

ハンバーグ、先週もあきらさんが作ってくれたばっかりなのにね。ありがとうね。


思い返せば、
わたしがはじめていただいたあきらさんの手料理は、ハンバーグでした。

卒業を控えた高校3年生の冬、
彼女の料理上手はクラスでも知られていましたから、たかったのです。

「わたしが志望大学に合格したら、ハンバーグを作って祝ってくれ」

ってね。

彼女は、「落ちたらオムライスな」と応じてくれました。


大学までひとりで合格発表を見に行って
掲示板をながめてほっとして
あきらさんにメールを送信します。
件名なし、本文は一行。


「ハンバーグ」


春休みに彼女の家にご招待いただき、
とびきりのハンバーグを食べて、
わたしは上京したのでした。

まだつきあっていなかった。
おたがい、別の女性が好きだったころの話です。


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彼女にだけは溺れても良い

こんばんは、圭です。

風呂。

我が家は、ふたりでいっしょに入ることが多いのです。
あったかくして、だらだらしゃべっているのは楽しいし、
光熱費の節約にもなると信じて。

ひとりが先に体を洗って湯舟に沈み、
もうひとりが後から入るので
先に入ったほうは、だいたい先に風呂からあがります。

で、浴室を出るときは
必ずかける、この一言。



「のぼせる前に、出なさいね」



だいぶ前のことだけれど
一度、こわいことがあったのよ。

仕事から帰ってきたら、家がしんとしていて。
バイクも靴もあるから、あきらさんは帰ってきているはずで。

それなのに
寝室も書斎もトイレも真っ暗。

居間のあかりは点いているけれど
あきらさんは、いない。


風呂だ。


と、おもった瞬間、血の気が引きました。

ひとが入っているにしては、静かすぎたから。

走馬灯がめぐるのって
じぶんが死ぬときだけではないのね。


ホラー映画で
いかにも怪しい井戸に近づいていく
手ブレしまくったカメラのように視界を揺らしながら、
風呂場に向かう足の震えが止まらなくてなあ。
 

あ、だめだ
わたしは
このふたを開けてはならない。

見たくないものが眠っている、
このふたを開けてはならない!


半べそで両目をつぶって
勢いよく引き上げた浴槽のふたの下、
目をひらけば、入浴剤で清潔に濁った湯があるばかり。

彼女が眠たそうに寝室から出てきたのを見止めたときは、
「生きていた」という安堵よりも
先取りした絶望のせいで
鼓動が早まったのでした。

う、いま思い出しても心拍数が。

しかし当時のあきらさんは
「入浴中に溺れたなら、ふたが閉まってるわけないんだから、冷静になれ」
と言ったのでした。ごもっともです、面目ない。



昨日の夜。
そんなこともあったね、と話していたら。
あきらさんが言いました。



「でも、ほんとうにあたしが沈んでいたら、まだ息を吹き返す余地があっても、圭さんは動転したりじぶんを責めたりするのに忙しくて、救急車呼んでくれなそう」


 
さっすがー、わたしのこと、よくわかってるー

と笑ってすますわけにはいかないが、
咄嗟に救急車が呼べるようになるまで
抜き打ちドッキリなんぞ仕掛けられでもしたら、
もたないのはわたしの心臓のほうであるよ。

せめて抜かりなく、毎日のあいさつを。
「のぼせる前に、出なさいね」を言いつづけることにします。


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熊本の手引き vol.4

こんばんは、圭です。

我が彼女あきらさんが
「圭さん、ほら、圭さん」
と連呼するので

はいはい、なんでしょう?

と笑顔で振り向いたら
テレビで皇室特番がやっていました。

プリンセスの婚約者のほうかよ。


さて、なんの脈絡なく熊本旅行記の続きをば。

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子を持たぬレズの悲歌

こんばんは、圭です。

祖父の法会を済ませ、無事に帰宅しました。

それにしても、紅葉シーズンの三連休、甘く見すぎでした。
新幹線はみごとに満席、東京までン時間立ちっぱなし。

しんどかった。

親戚の集まりは
さほどしんどくはなかったけれど。


や、しんどくはなかったけれども。

親戚の子どもたちを両腕にかかえて
うれしそうに苦笑する我が父
という光景を見たときは

隅田川の少女たちに
再会してしまった、と、背筋がさむくなりました。


「隅田川」

中山可穂の連作短篇集
『悲歌(エレジー)』に収載された一篇です。


ゲームセンターのマシンのひとつ、
ふたりで並んで写真を撮ると
「ふたりの子ども」の
シミュレーション写真が合成される
という機械を、ふたりの女子高生が試すのです。

そして描かれるのは
出力された写真を見た彼女たちの
青く激しい怒りの炎。


ふたりは見てはいけないものを見てしまったのだ。
この世に決して存在するはずのない、ふたりの愛の結晶の姿を。



わたしはひとりっ子ではなく
きょうだいのなかには既婚者もいるけれど
皆、それぞれの理由で子どもがいません。

父が「祖父」になることは
ないかもしれないので

屈託はありながらしあわせそうな、
この笑顔は、だれのものなんだろう。

ゆがんだ未来を見せられたような
世界線をまたいだ別の「父」を見たような

ほのぼのとした場面なのに
ちょっとした幻想怪奇体験でした。


あ、でも!

わたしはレズでなかったとしても
子どもは産まなかったとおもうし

世の中には
子どもを産むレズもいるので

「レズは子どもを持てない」
「親に孫を見せてあげられない」
などと言うつもりは毛頭なし。


ただ、父と子どもたちの姿を見た瞬間に
そこだけ空気がふわっと黄色く透きとおり

しばらく読んでいなかったにもかかわらず
テロップのように

「隅田川」の一節が、
さっき青字で書き写した2行が、
網膜に浮かびあがったことを
記録しておきます。


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『悲歌』の中では「定家」が好き。

偏向で分化的な書体入門

こんばんは、圭です。

1日に2回も3回もまちがえました、
今日は金曜日。



「あたしたちは、土・日・月の三連休に慣れすぎてしまった」



と、あきらさんが言います。
そのとおりだ、三連休の初日は土曜日だと、おもっている。
祝日は今日だってこと、忘れている。

忘れてはいたけれど、祝日の趣旨は、文化の日なので。

レズものろけも関係なく、趣味本の記事を。

「レズものろけも関係ない趣味本」については
前にも書いたことがあるのですが、
これは、同じ著者の別の本です。
   

正木 香子 『本を読む人のための書体入門』

 

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